強迫性障害

強迫性障害とは

強迫性障害(Obsessive Compulsive Disorder=OCD)は、これまで強迫神経症とも呼ばれてきました。この障害の特徴は「強迫観念」と「強迫行為(儀式的行為)」です。強迫観念とは、自分でもばかばかしい、理屈に合わないと分かっている考えやイメージ、衝動が、押えつけようとしても繰り返しわき起こってくるものです。また強迫行為とは、たとえば手を洗ったり、物事を確かめたりする特定の行為を繰り返し行うものです。
強迫観念・強迫行為のために長い時間を浪費したり、これらが起こるような場面を避けるために家に閉じこもったり、物に触れられなくなったりすることから、生活に著しい支障が生じます。

強迫性障害の症状

強迫観念の内容,強迫行為の種類にはさまざまなものがあります。

もっとも一般的に知られているのは、排泄物の汚れなどが広がってしまうという観念にとらわれ、長時間手を洗うことが止められない「不潔恐怖に基づく洗浄強迫」、スイッチを切ったかどうか、鍵を掛けたかどうかなどが気になり、くりかえし確かめてしまう「確認強迫」です。何もしなければ洗ったり確かめたりする必要がないので、外出しなくなったり、トイレ・入浴・着替えもせず寝たきりになることもあります。

このほかにも、何度も足踏みをしてからでないとトイレに入れない、神社などに右側から入ればいいが左側から入ると非常に悪いことが起こるという考えにとらわれ、間違えると入り直したりする、儀式的行為もしばしばみられます。新聞の広告やカタログなどの大して重要でないものが、「ひょっとして捨てた後で必要になるのではないか」と気になって捨てられず、部屋が一杯になってしまったりもします。また、服装が似合っているか、持ち物が適切かどうかなどがいくら確かめても気がかりで動けなくなり、場合によっては出かける約束をしてから実際に外出できるまでに数日かかってしまったりします。周囲からは行動が非常に緩慢で時間がかかっているように見えるため、「強迫性緩慢」と呼ばれます。

このように、強迫性障害では、特定の観念・行為に限って極端にコントロールがきかなくなり、日常生活に大きな支障を生じてしまいます。ばかばかしいとわかっていながら、自分の考え・行為を本人自身がコントロールできないので、苦しくつらい病気です。何時間もかかる手洗いなどの行為を家族がやめさせようとしたり、家族が本人の代わりに洗ってやるなどして、家族が巻き込まれることもしばしば起こります。

強迫性障害の治療方法

強迫性障害の治療には、薬物療法、(認知)行動療法、精神療法、カウンセリングなどがあります。薬物療法を行いながら、必要に応じて他の治療法を組み合わせて治療を進めていきます。

薬物療法では、古典的にはクロミプラミンという抗うつ薬が使用されてきましたが、近年発売されたSSRIと呼ばれる抗うつ薬を十分量使用することにより、効果のあることが分かっています。ただし、抗うつ薬に反応する患者でも完全寛解に至ることは少なく,部分的な改善にとどまることがほとんどです。

行動療法ではexposureとritual (response) preventionが多く用いられます。これは強迫観念や強迫行為のきっかけとなる刺激を特定し,その刺激に意図的に十分な時間触れるようにし(exposure),その間やその後しばらくの間の強迫行為や儀式,回避行動をおこなわないようにする(ritual prevention)ものです。

強迫性障害では、薬物を中断した場合の再発率がパニック障害やうつ病より高いため、長期の維持療法が必要になります。また薬物療法や行動療法を行っても,多少症状が残る場合が多く、外来通院を継続し、服薬を続けている患者さんに対して支持的な精神療法や適切なカウンセリングを行い,強迫性障害とつきあいながら生活を楽しめるように援助する必要があります。

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